この記事は、こんな方むけ
TOEIC初心者
分詞が苦手な方
TOEIC600点取りたい方
今回もあなたのお悩みにお答えします。
動詞や名詞の前後に-ing形や過去完了形がついているときがありますよね?
あれが、良く分からないので、教えてください。
それは「分詞」のことですね。
それでは早速、解説します。
分詞や分詞構文とは、簡単にいうと、動詞の活用の一つです。
そして、分詞はTOEICの山場の一つでもあります。
つまり、TOEIC 600点を取るためには、絶対に避けては通れない文法なのです。
辛いことに、分詞や分詞構文は全然かんたんではありません。
初心者が苦手とする文法の上位に来ることは、間違いないでしょう。
私自身も、学習する際にかなり苦労しました。
だからこそ、実感をもって、分かりやすい「分詞」の考え方を紹介することができます。
前提として、分詞や分詞構文が難しいことに変わりありません。
なので一気に解説せず、全2回に分けて「分詞」について解説をしていきます。
今回は、分詞の基礎について重点的に解説します。
この記事を読んでいただければ、「分詞」の基礎は完璧になるでしょう。
分詞が苦手な方は、ぜひ読み進めてください。
分詞とは
ひと言でいうと、分詞とは動詞の活用形の一つです。
詳しく言うと、動詞の-ing形(現在分詞)と過去完了形(過去分詞)を用いて、名詞を修飾・説明する動詞の活用法になります。
そして、現在分詞と過去分詞では、意味に大きな違いがあります。
分詞となるのが他動詞か自動詞によって、さらに意味合いが変わるのです。
なので、他動詞/自動詞の現在分詞/過去分詞の組み合わせごとに、意味と使い方を紹介します。
分詞構文
分詞は名詞を修飾するだけでなく、2つの文章を1文で表すこともできます。
これがいわゆる、分詞構文です。
例文をお示しします。
She went to the museum. 「彼女は美術館に行った」
She was smiling. 「彼女は笑っていた」
→ When she went to the museum, she was smiling.
→ She went to the museum smiling.
※ smilingはmuseumではなく、she(主語)にかかっている点に注意が必要です。
ですが、今回は現在分詞/過去分詞の使い方にしぼって紹介しますので、分詞構文については別記事で解説します。
他動詞の現在分詞/過去分詞
現在分詞
他動詞の現在分詞は、基本的には「(相手を)…する」という能動的な意味があります。
なぜ、このような使い方になるか説明します。
他動詞には目的語が必要とし、目的語に対して「…をする」という働きかけの意味があるからです。
基本的には、名詞の後ろに置き、名詞の「動作」を説明するとができます。
使い方の詳細は、例文をみながら説明させてください。
〇 the museum displaying the sculpture
× the displaying museum (?)
その有名な彫刻を展示している博物館
例文2では「the museum」が「displaying the sculpture」によって修飾される名詞です。
display(…を展示する)は他動詞なので、他動詞の後ろに目的語を持ちつつ、the museumという名詞がしている動作を説明できます。
例文2の不適切例では、theとmuseumの間にdisplayingが入っていますが、博物館を展示しているという意味になってしまいます。
なので、他動詞の現在形は、目的語を伴いながら名詞の後ろに置いて使います。
過去分詞
他動詞は目的語に対して「(相手を)…する」という働きかけの意味があると説明しました。
なので、他動詞の過去分詞を用いることで、「(相手によって)…された」という受動的な意味を持つようになります。
基本的には、名詞の直後において「…された」という意味になりますが、過去分詞形の動詞単体であれば直前に置くことも可能です。
詳しい使い方は、先ほど同様、例文をみながら説明させてください。
例文3は例文2を参考に作成しましたので、文章の意味は例文2とほぼ同じです。
ですが、分詞が過去分詞となっていますので、文章の形が変わっていることに注目してください。
〇 the sculpture displayed in the museum
「その博物館に展示されている有名な彫刻」
〇 the displayed sculpture「展示された彫刻」
今度は「the sculpture」が「displayed in the museum」によって修飾される名詞となっています。
なぜこのようになるかというと、他動詞の現在分詞と過去分詞は、それぞれ能動態と受動態と説明しました。
そして、能動態と受動態では、する方(能動)とされる方(受動)の意味関係を入れ替え可能です。
なので、現在分詞と過去分詞も、能動態や受動態と同じと考えられ、意味関係を入れ替えられるのです。
ただし、「the」と「sculpture」の間に「displayed」を置いても意味が通ります。
この際は、「displayed」を修飾していた「in the museum」を取り除く必要があります。
他動詞の、現在分詞=「能動態」、過去分詞=「他動態」
他動詞の基礎について説明しました。
次は、自動詞についてみていきましょう。
自動詞の現在分詞/過去分詞
現在分詞
自動詞の現在分詞は、「(自分自身が)…している」という進行形的な意味になります。
こちらの理由も説明します。
そもそも、自動詞は目的語を持たない、自己完結的な意味の動詞です。
なので、自動詞の現在分詞は-ing形の意味そのままに、進行形の意味を持ちます。
基本的には、名詞の直前に置くことで、名詞自体の進行形の様子・状態を説明することができます。
詳細な使い方は、例文をみながら説明させてください。
〇 a falling apple「落ちているリンゴ」
〇 an apple falling from a tree「落ちているリンゴ」
△ an apple falling 「りんごが落ちること」
「falling」という現在分詞が、「apple」を修飾・説明しています。
進行形の意味を持ち、自動詞なので後ろに目的語を必要としないので、名詞の直前に置きます。
ただし、「from a tree」のような「falling」を修飾する副詞を伴い、名詞の直後置くこともできます。
「an apple falling」も完全には間違いな英語ではありませんが、文の意味が変わってきてしまいます。
でも、覚えて欲しいのは、肝である自動詞の現在分詞は「進行形」を表すということです。
過去分詞
自動詞の過去分詞は、「(自分自身が)…し終えた」という完了形的な意味があります。
動詞は目的語を持たない、自己完結的な意味の動詞と説明しました。
なので、自動詞の過去分詞とすることで、自信の行為が終わったという「完了」の意味を持ちます。
詳細な使い方は、例文をみながら説明させてください。
〇 a fallen apple 「落ち終わったリンゴ」
× an apple fallen …(?)
〇 an apple fallen from a tree 「木から落ちたリンゴ」
例文5では「fallen」という過去分詞が、「apple」を修飾・説明しています。
基本的には、名詞の直前に置き、名詞がすでに終了した行為・状態を表します。
ですが、もちろん名詞の後ろにも置くことができます。
この際は、例文5の様に「fallen」をさらに修飾する「from a tree」のような副詞が必要です。
ただし、例外にばかり注目せず、基本的に覚えて欲しいのは、自動詞の過去分詞は「完了」を表すということ。
自動詞の、現在分詞=「進行形」、過去分詞=「完了形」
ここまでが、他動詞/自動詞の現在分詞/過去分詞について基礎的な内容です。
分詞の応用(分詞が補語になる用法)
さらに、分詞のちょっとした応用についても触れていきます。
まずは、補語になるパターンについて解説します。
「S(主語)+V(動詞)+C(補語)」型
分詞が補語になるパターンの一つ。
「S(主語)+V(動詞)+C(補語 ※分詞がはいる)」型です。
この際、S(主語)=C(補語)となります。
ちなみに、C(補語)の部分に入る分詞は、現在分詞・過去分詞どちらでもO.K.です。
これに関しても、例文を見て説明させてください。
He keeps crying. 「彼は泣き続けている」
The clock got broken. 「その時計は壊れた」
例文のように、「keep」「get」などのような状態・認識・感覚を表す動詞の後に分詞を続けることで、主語の状態を表します。
分詞の意味は「現在分詞=能動態」「過去分詞=受動態」となります。
そして、先ほど「主語=補語(分詞)」になるとも説明しました。
なので、例文6は例文6-1のように、動詞はbe動詞へ変換可能です。
He is crying. 「彼は泣いている」
The clock was broken. 「その時計は壊れた」
ここで一つ注意点があります。
先ほどの例文では、状態・認識・感覚を表す動詞に分詞を続ける場合について説明しました。
ですが、動作を表す動詞に分詞を続ける場合には、すこし意味が変わってきます。
この時は、主語が同時にしている動作(分詞の動詞)を表します。
例文をお示ししますので、そちらを見ながら説明させてください。
He walked crying along the street. 「彼は泣きながら、その道を歩いた」
例文7では、「He walked along the street.(彼はその道を歩いた)」とすでに文章が完成しています。
そこに、「crying」という現在分詞をいれることで、「泣きながら…」という意味を挿入できます。
なので、「彼は泣きながら、その道を歩いた。」となるのです。
分詞を補語にとる代表的な動詞を紹介しておきます。
ぜひ参考にしてください。
分詞を補語にとる動詞
現在分詞を補語にとる動詞:come…「…しながら来る」、get…「…し始める」、go…「…しながら行く」、keep…「…を続ける」、sit…「…しながら座っている」、stand…「しながら立っている」、walk…「…しながら歩く」
過去分詞を補語にとる動詞:appear「…の様にみえる」、feel「…されている様に感じる」、get「…される」、lie「…されて置かれている」、look「…の様に見える」、remain「…のままである」、seem「…の様である」
次に、もう一つ代表的な型があるので、それを説明します。
「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語)」型
分詞が補語になるもう一つのパターン。
それが「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語 ※分詞がはいる)」
この型は先ほどと少し違い、「O(目的語)=C(補語 ※分詞がはいる)」となります。
そして、この時の分詞の働きは、「現在分詞=能動態」「過去分詞=受動態」です。
その上で、使役動詞や知覚動詞を伴って使われます。
使役動詞は「(目的語)に……させる」のような意味がある動詞。
知覚動詞は「(目的語)が……なのを感じる」のような意味がある動詞。
では、例文を使って、詳しい使い方を説明させてください。
① I want the book repaired. 「私は、その本を直してほしい。」
② I saw him walking into the room. 「私は、彼がその部屋に入っていくのを見た」
例文では、「want」が使役動詞、「see」が知覚動詞です。
そして、C(補語)の主語は、直前の名詞になるので、例文8の①は「I want」と「the book repaired」に分けらます。
その上で、下記の例文8-1ように考えることができます。
I want the fact that the book will be repaired.
「私は、その本は直されるという事実が欲しい」
また、例文8の②は「I saw」+「him walking into the room」と分けて考え、例文8-2と表せます。
I saw that he was walking into the room.
「私は、彼がその部屋に入っていくことを見た」
最後に、使役動詞と知覚動詞は重要ポイントなので、どんなものがあるかは覚えておきましょう。
目的語+補語・分詞の形をとる使役動詞・知覚動詞をお示しします。
一緒に覚えておいてください。
目的語+補語・分詞の形をとる動詞
使役動詞:get「…させる」、have「…してもらう」、make「強制的に…させる」、want「…してほしい」
知覚動詞:feel「感じる」、hear「聞く」、listen to「聞く」、look at「見る」、see「見る」、watch「見る」
今回はここまでにします。
分詞構文については別記事で解説しますので、下のページを読んでください。
分詞構文についてはこちら
分詞の基礎を覚えたかたは、こちらの記事を読んでください。
分詞の発展形である、分詞構文の基礎と応用編について解説しています。
TOEIC 600点と取りたい方は、絶対に参考になります。
ChatGPTを使った文法解説
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分かるまで永遠に聞くことができます。
料金がかかるのではと心配される方もいますが、もちろん無料ですので安心してください。
今回紹介した「分詞」って非常に難しかったはずです。
なので、この記事だけでは、「分詞」が完璧に理解できなかったという方は試してみましょう。
具体的な利用方法については、こちらの記事で解説しています。
「周りに英語学習の相談ができる人がいない」「参考書を読んでも意味が分からなかった」という方には、おすすめの内容です。
ChatGPTによる分詞の解説
ChatGPTに、分詞について聞いてみた内容を紹介します。
分詞(Participle)は、動詞の形態の一つで、主に形容詞として使用されます。
分詞には2つの主要な形態があります:現在分詞(Present Participle)と過去分詞(Past Participle)です。
- 現在分詞(Present Participle):
- 現在進行形を形成するのに使用されます。
- 動詞の原形に “-ing” を追加して形成されます。
- 例:walking(歩いている)、singing(歌っている)、reading(読んでいる)
- He is walking to school.(彼は学校へ歩いている。)
- The children are playing in the park.(子供たちは公園で遊んでいる。)
- 過去分詞(Past Participle):
- 過去の出来事や完了形を形成するのに使用されます。
- 一般的に、動詞の過去形に “-ed” もしくは不規則な形になります。
- 例:played(遊んだ)、written(書かれた)、seen(見られた)
- I have finished my homework.(私は宿題を終えた。)
- The book was written by a famous author.(その本は有名な作家によって書かれた。)
分詞は、動詞の性質を持つだけでなく、形容詞としても機能します。
それによって、名詞や代名詞を修飾することができます。
- The running water is refreshing.(走っている水はさわやかです。)
- The broken window needs to be fixed.(割れた窓を修理する必要があります。)
また、分詞は副詞節の一部としても使用されます。
例えば、分詞節を修飾するために、時や原因、条件を表現するために使われます。
- Being tired, I decided to go to bed early.(疲れていたので、早めに寝ることにしました。)
- Having studied hard, she passed the exam.(一生懸命勉強したので、彼女は試験に合格しました。)
あなたも、一度はChatGPTを試してみてください。
まとめ
今回は、分詞の入門編ついて解説しました。
最後に、今回紹介した内容のポイントをまとめて、再度記載させていただきます。
他動詞はこう考える。
他動詞の、現在分詞=「能動態」、過去分詞=「他動態」
自動詞はこう考える。
自動詞の、現在分詞=「進行形」、過去分詞=「完了形」
分詞を補語にとる動詞はこちら。
分詞を補語にとる動詞
現在分詞を補語にとる動詞:come…「…しながら来る」、get…「…し始める」、go…「…しながら行く」、keep…「…を続ける」、sit…「…しながら座っている」、stand…「しながら立っている」、walk…「…しながら歩く」
過去分詞を補語にとる動詞:appear「…の様にみえる」、feel「…されている様に感じる」、get「…される」、lie「…されて置かれている」、look「…の様に見える」、remain「…のままである」、seem「…の様である」
目的語+補語・分詞の形をとる動詞はこちら。
目的語+補語・分詞の形をとる動詞
使役動詞:get「…させる」、have「…してもらう」、make「強制的に…させる」、want「…してほしい」
知覚動詞:feel「感じる」、hear「聞く」、listen to「聞く」、look at「見る」、see「見る」、watch「見る」
次回もよろしくお願いいたします。
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